2014年2月20日木曜日

【秘すれば花なり】日常で沈黙を有効活用すべし【沈黙は金なり】



「雄弁は銀なり 沈黙は金なり」


このことわざの意味は
「よく話し語ることは大切であるが、
沈黙すべき時やその効果を心得ていることは
さらに大切である」というもの。

「沈黙」というのは、一種のメッセージです。
時に言葉で伝えるよりも、多くのメッセージを伝える場合もあります。


「黙っていれば、利口に見える。」
これもまた真です。
自分の価値を高めるためにも、雄弁であることより
寡黙である方が得策なのかもしれません。

そして、我々ジェット団も
「背中が雄弁な、カッコいい大人」を目指しています。
つまり、口ではなく行動で示す大人つまり
「寡黙で行動で示す大人」を目指しているのであります。

まず、
「沈黙」とは人々にとって「恐怖」であるのです。
みんな、沈黙が怖いのです。

「沈黙」を味方につけたものは、
様々な分野で優位に立つことができるでしょう。


例えば、

怒っている時に、
相手に威圧的に、暴言を吐きながらまくしたてる人も怖いですが、
相手を無言で、睨みつけ何も言葉を発しないた人も
何に怒っているのか、何を考えているのかわからず
前者よりも、怖いと感じることがあるのではないでしょうか。

「弱い犬ほどよく吠える」ではないですが、
「沈黙」を有効に使った事例ではないでしょうか。

逆に、弱い立場である場合
「NO」と口に出して言えない場面で、
無理やりに「YES」を言うのではなく、
沈黙をし「無言」で対応してみましょう。
不思議なことに、沈黙が怖くなった相手の口から、
「YES」ではない妥協案が出てくることがしばしばあります。

詳細は話せないが、込み入った状況をわかってもらいたい時にも
「沈黙」は有効です。
それは、詳細をすべて話すよりも、伝えることができるかもしれません。


ビジネスの場で見てみると

会議においても
「沈黙」の効果を知っている者は、
他の参加者よりも優位に立つことができると知っています。

大原則は、「会議において無理に話をとりつくる必要はない」ということです。
つまり、「沈黙」を有効活用しましょうということなのです。

会議において、発言をしないことは、参加していないことを意味します。
それゆえに、
発言をしなければとついつい何か発言しなければと焦ってしまいますが
考えが決定していないうちから、とりあえず発言する必要はないのです。
とりあえずした発言では、薄っぺらい内容にしかなりません。

また、「沈黙」は自分の考えをまとめる・冷静さを取り戻すために
有効な方法の一つです。

発言をしないのではありません。不用意な発言をするのではなく
思慮深く考え、必要なことを端的に発言するのです。

沈黙の間にも、この会議の目的や議論していたことなどを振り返って、
もう一度自分の考えを組み立て直す時間にあてるのです。
何も焦らなくていいのです。
沈黙が怖くなり無理に場をとりつくろうような意見は禁句です。
会議では無理に話をとりつくる必要はないのです。


会議などで司会をする場合は、なおさら
「沈黙」の効果を知っている者は、
他の参加者よりも優位に立つことができると知っています。

なので、進行の上手な司会者もまた
上手く「沈黙」を活用しています。

意見を促したい時には、司会者が意図的に「沈黙」する。

注目を集めたい時にも、司会者が意図的に「沈黙」する。

そして、
自分の発言に重みを持たせるために、司会者が意図的に「沈黙」する。

「沈黙」によって相手の注意をこちらに向けることで、
自分の言葉に重みを与えることができるのです。

噺家は、この「沈黙」を「間」と言い
話のオチを言う際にも、
落語家は上手く「沈黙(間)」を活用し
注目を引き、オチに持っていきます。
原理は、同じです。

また、営業においてもしばしば「沈黙」の効果は活用されています。

優秀な営業マンは、
「沈黙はお客様に破らせる」というテクニックを使うといいます。

このテクニックのルールは、
特に質問を投げかけた後は、絶対に口を開いてはいけない。
と言うもので、
お客様が答えを探している時間は、
どんなにプレッシャーがかかろうとも
「沈黙」に耐えなければならないというものです。
なぜなら、
沈黙に耐えられずに出た不用なあなたの一言によって、
得られたはずの真の答えは闇に消えてしまうからです。
優秀な営業マンほど、
質問の後は、「沈黙はお客様に破らせる」というものである。

これは、人間関係においても同じです。

すぐにポンポン会話を返すよりも
相手が不安になってたまらないところに
待ちわびた発言をするだけで
相手にとって安心を与える「待ちに待った発言」となることもあります。
主導権を取ったも同然です。
同じ発言をするにも、タイミングを変えるだけで効果は大きく変わります。
タイミングを遅くしても、会話がとぎれなければ十分満足されます。


「沈黙」 すると、相手は不安になります。
言葉を発していない相手が何を考えているのかわからないからです。
しかし、これを別解釈で捉えると、
わからない(=謎)ことは、魅力なのではないでしょうか。


世阿弥が「風姿花伝」で言っている
秘すれば花なり。
秘せずは花なるべからず。
も、「沈黙」の効果を知っていてのことかも知れませんね。


アメリカのような、多様な人種が集まる国では、
自分は安全な人物ですよというアピールをもととして
言葉でのコミュニケーションを発達させました。
当然そのような、言葉でのコミュニケートが優先される国では
「有言実行」が良しとされていますが

阿吽(あうん)の呼吸ともいわれる
言葉だけではないコミュニケーションを発達させた日本では
やはり「不言実行」が尊いとされます。
これにも、「沈黙」の効果が
実行という行動に重みをもたせるのではないでしょうか。

背景を見ても、
日本は良くも悪くも
ムラ社会、水田稲作社会の尻尾を引きずった社会なのです。

良く言えば、
和をもって貴しと為す。

悪く言えば、
なあなあ、馴れ合い、もたれ合い、談合社会。

白黒をはっきりつけると揉めるので
揉めごとは起こしてはいけない。
何事も角を立てずに何でも丸く収めるのが得策であり、
そう行った背景から、沈黙文化は発展することになったのでしょう。

沈黙は金、雄弁は銀。愚者は説き、賢者は聴くのです。
これが、日本の処世術でもあります。


結局のところ
「沈黙」とは、「間」の1種であります。
「間」身に付けた人間は、強いですね。

物事には「間」が大切であり、
「間」がなくては、「間抜け」となり、
「間」を有効活用した人、即ち「人間」が
対人関係もうまく活かせるのではないでしょうか。



「人生は間だよ。一本調子では何事もうまくいかない」
(田中 角栄)




なんしか、カッコいい大人になろう。





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