2013年3月19日火曜日

【読書】戦後史の正体

「戦後史の正体 /孫崎 享」を読みました。
いや~、面白い本に今年はよく巡り合える。
いつものように、自分のためにまとめて残ししておきます。(本文と違う所もあるかも。)

「アメリカの国益から見よ。」という
見落としがちな視点は、斬新。

「1945年日本は降伏したのであって単なる終戦ではない」ことが
強調される。

本書は、戦後の日米関係は勝者と敗者との関係から始まり、
現在までこの関係は基本的に変わっていないという。
日米同盟は、日本を米国の国際戦略の補完的役割として位置づけであり、
再び日本を米国の脅威たらしめない日本封じ込め戦略の意味合いもあり、
今日現在まで続いている。



終戦時の米国の基本方針は、
米国にとって日本の潜在的脅威を根絶することが目的で、
そのために日本を米国に隷属させ、
日本の経済的基盤を徹底的に破壊するという
認識のもとで、占領政策がはじめられた。

しかし、この米国からの圧力も、米国の世界戦略を背景により、
世界情勢の推移によって、その方向性と強弱が変化する。
占領政策も、大戦後の米ソ対立と朝鮮戦争により、
日本の工業力を利用する方針へと急遽変更される。

また、共産主義への防波堤として、日本の利用価値が高まっていった。
戦後から今日にいたるまで、
アメリカの圧力により、
比較的に安定長期になる「アメリカ追従」と、
短期不安定で終る「自主独立」との交代の繰り返しで
この圧力に対応する日本の対米外交は、常に翻弄され続ける。

米ソ冷戦が終った今日でも、
太平洋を勢力圏にしておきたいアメリカの国益に変りはなく
世界戦略への協力を日本に求めてきています。

大変興味深かったのは、「領土問題は米国に意図的に仕組まれている面がある」という一節。
確かに、「ダレスの恫喝」などを考えると、根本から解決をさせようとはしていない。

強大な国力を持つ米国と隣り合っているカナダ、
当時のカナダの首相ピアソンは、
イラク戦争の参加拒否と毅然と物を言い
強力な米国の圧力を受けたことがある。
しかし、その後も「米国に対し、毅然とものをいう伝統」というスピリッツは
歴代首相にも受け継がれている。
カナダ外務省の建物は「ピアソンビル」と言われ
「米国と対峙していくことはきびしいことだ。
しかし、それでもわれわれは毅然として生きていこう。
時に不幸な目に合うかもしれない。
でもそれをみんなで乗りこえていこう」という
メッセージとなっているとか。

アメリカの国益を損なう恐れのある日本の政権は、
今でも短命に終る運命にあるようだ。
アメリカは政権を倒すことはできても、次の政権を作ることはできない、
そこに「自主独立」への可能性があるということだろうか。

ピアソン首相と、重光葵。偉大な男たちを知ると鳥肌が立つ。




「願わくば御国の末の栄え行き、 我が名さげすむ人の多きを」
(重光 葵)

この重光葵という方は、本当にカッコいい大人です。
カッコよすぎるエピソード【重光 葵】 はコチラ

なんしか、カッコいい大人になろう。

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